ノイズリダクション比較動画
難しい話は後にして、先ずは動画を御覧ください。※音量にご注意ください
今回実験に使った元の映像は720×480ですが実験結果のyoutube動画は720Pです。
ノイズ除去エフェクトの適用書き出しは全て480Pで行い、最後youtube用にAfter Effectsで960×720にアップスケールしました。 ※SD画質だと見てくれないかなあというのと、720Pにしたほうが文字も綺麗になるので。
ちなみに!映像がモヤッとしてるのはオリジナルがSD画質のものだからですが、
再エンコードするyoutubeの仕様ですね。
■ウェアラブルカメラのFHDで撮影した比較的綺麗な映像のノイズ除去の比較も続きとして書いていくので、今後紹介されるその記事も御覧ください!
■右背景のノイズ、顔のノイズ、左下の文字「180g」に特に注意して見てください
補正前 |
After Effects 標準のグレイン除去 (2:22) |
RE:Vision社の DE:Noise デノイズ (1:51) |
Red Giant社の Denoiser II デノイザー2 (2:06) |
ABSoft社の Neat Video ニートビデオ (0:50) |
ABSoft社の Neat Videoを二重にかける |
※カッコ内の数字は書き出しにかかった時間です
最も綺麗にノイズを除去するソフトは Neat Videoです!
いきなり答えから言いますと、ABSoft社の Neat Video(ニートビデオ)がノイズ除去の能力が一番高く、やり方も簡単、安定性もある、書き出し速度も早い、このプラグインの対応アプリケーションが多い、値段も高くないとダントツでおすすめできるソフトです。
他のものと比較してもほぼ全ての点で勝ってると思いますし、実際にRMSのある有名メンバーさんはこれを使って動画補正していて、もちろん私も使っています。
ただし・・・ 相性問題もあるので必ず購入前にデモ版でお試しください!
ノイズ量によってはNeat Video以外でも十分使える場合もありますのでぜひ最後まで読んでから決めてくださいませ。
また、プラグインは使える編集ソフトが限られているので、自分のソフトに対応していなければ使えないというのもあるので後述するリンク先のページからアプリケーション対応表をご確認ください。
今はフラッシュバックジャパンさんで取り上げられていますが、ちょっと前までは殆ど知られていないソフトだったと思います。
私が初めてNeat Videoを知ったのはraitankさんのブログ
最適なノイズリダクション・ソフトはどれだ? の記事です ※ぜひraitankさんの意見も参考にしてください
私は最初フラッシュバックジャパンで簡単に購入できるDenoiser IIにしようかと思ってましたが、補正が趣味ですごく詳しいメンバーさんにこっちのほうが良いよとアドバイスを頂いたのでNeat Videoを購入することになりました。
※その後自分で色々確かめるために幾つかのソフトを購入してます
ノイズ除去できないとカラー補正が出来ない?
少し極端な言い方ですが、画質の良くない映像を綺麗に補正する時にノイズが除去が出来ないとカラー補正自体ができないという場合があります。
例えば・・・
暗くて色も薄いのでカラー補正をしたい
※画像はクリックで大きくなります
顔にピンクや黄色や緑のノイズが、左下の黒い文字「180g」にもカラフルなノイズ等、最初は気づかなかった色が出てきてしまいました
ノイズリダクション・プラグインを比較する
さて、今回の実験の詳細をお話します。
超小型カメラのPC63で、ノイズが発生するように部屋の照明を暗くして撮影。
SD画質(720×480)の映像をテストに使用しました。※最後に720Pにアップスケールしてます
その映像をカラー補正で明るさ(コントラスト)と色の濃さを強くするとノイズが目立ってきます。
普通はここまでのノイズはなかなか出ないかもしれませんが、実験用にわかりやすく荒れた画面を再現しました。
元々特殊な環境下での映像を補正するということで動画補正を始めたので、極端に荒れた映像を使用してます。 ウェアラブルカメラで比較的綺麗に撮影された映像の場合は次回紹介します。
それぞれのノイズ除去プラグインの設定は、そこまで詰めて考え抜いたわけではないですが、これが一番綺麗になるかなあというようにしてます。 設定次第でまた少しは変わってくると思います。
編集ソフトはAfter Effectsで、その標準のエフェクトであるグレイン除去と、各社のノイズ除去プラグインを比較しました。
- After Effects 標準のグレイン除去
- RE:Vision社の DE:Noise デノイズ
- Red Giant社の Denoiser II デノイザー2
- ABSoft社の Neat Video ニートビデオ
これらはプラグインとしてアプリケーションに追加するものですので、自分の使ってる編集ソフトに対応している必要があります。 上のリンクから対応アプリケーションが分かりますが、おすすめしているNeat Videoがダントツに多く ・After Effects ・Premiere ・Final Cut ・Edius ・AVX ・Sony Vegas ・OpenFX ・VirtualDub に対応しています。
他にもいくつかデモ版を試しましたがあまり良くなかったので所有している代表的なこの3つ+標準エフェクトで比較します。
aviutlなど優秀なフリーソフトも有りますが、今回の実験のような大荒れの映像でNeat Video以上の効果はないので実験対象には入れませんでした。
少しのノイズを取る程度ならフリーソフトでも全然問題ないこともありますので、無料でやりたいという方は、aviutlを導入するというのも良いかもしれません。 導入がちょっとハードル高いかもしれませんが詳細にまとめられているので興味ある方はググってみてください!
After Effectsでは出来ない機能(プラグイン)もあったり、H264書き出しはAfter Effectsよりも優秀です!
また今度フリーソフトの特集もしてみようと思います。
補正前のオリジナル
ピンクや緑のノイズが画面全体にたくさん出ています。 暗い部分を明るくするとこのようなノイズが目立ってくる場合があります。
グレイン除去After Effctsに標準で付いているエフェクト、グレイン除去です。
この実験で初めて使用した程度なので、設定はよくわかってないかもしれませんが、一応デフォルトの状態から数字をいじってよりマシなるようにはしました。(適当ですが^^;)
紫と緑のノイズがまろやかに大きなまとまりになって、全体にぼんやりとしてしまいました。これでもシャープを入れたのですがそれでも全然ダメです。※ノイズリダクションのエフェクトには大抵シャープにする機能もついています
RE:Vision社の DE:Noise
全体のノイズはまだまだ残っていますが、動画で見るとオリジナルよりはだいぶスッキリとして見やすい印象です。
このソフトの特徴は輪郭線を綺麗に整える事ができることで、それを利用してSD画質によく出るジャギー(解像度の低さからギザギザが目立つ状態)を軽減させる事ができます。
そのやり方はまた続きの記事で紹介します。
Red Giant社の Denoiser II
Denoiser IIはNeat Videoに比べて、ノイズ以外の場所にも影響を与えてしまう場合があるかなあと感じます。 その結果細部や輪郭がぼやけてしまう事があります。
DE:Noiseと比べても全体に強くノイズを取ることは出来ますが、その代わり細部や輪郭付近のノイズ(モスキートノイズ)が残りやすいと思います。
実は今回の実験でDenoiser IIがNeat Videoとこんなに差をつけられるとは思っていませんでした。
最適なノイズリダクション・ソフトはどれだ? の記事でもノイズリダクション能力の評価は高いです。
実際今回のような強烈なノイズではない場合は、Neat Videoとほとんど同じくらいのノイズリダクション能力があると感じていました。
今回極端に強いノイズ映像を使っての実験によって、その能力差がわかりやすく出てしまったということなのかなと思います。
ただ現在Denoiser IIを使っていて満足してる方はNeat Videoに変える必要ないかもしれません。Denoiser IIも十分高機能なノイズリダクションプラグインだとは思いますので。 気になった方はデモ版が使えるので比較してみて、そこまで差が感じれれなければそのままで全然いいと思います。
ABSoft社の Neat Video
映像がボヤケること無く且つ一番多くノイズを取ることができています。 特に今回は色のノイズ、偽色が強いのですが、それらピンクや緑の色ノイズがかなり軽減されています。
左奥の「たまねぎ、にんじん、」の文字が、オリジナルではピンクと緑が混じってるのですが、ちゃんと黒い文字が復活しています。
ABSoft社の Neat Videoを二重にかける
Neat Videoはノイズ以外にはほとんど影響を与えないので、2回適用することでより綺麗にできる場合があります。
一回目で取りきれなかったノイズを除去しながらも、細部が潰れること無く、寧ろより綺麗になったようにも見えます。
通常は一回でいいですが、2回適用してもボヤケること無くさらにノイズが取れるというのはそれだけ優れているということだと思います。
FHD画質の実験はこんな感じです。動きのある場面でのノイズリダクション。