目次
カラーホイールを使ったホワイトバランス調整
カラーホイールというものを使って前回と同じような補正をやってみましょう。
こんなやつです。 今回もAfterEffects(Ae)のルメトリカラーのカラーホイールを使います。 ※3WAYカラー補正、カラーバランスコントロール、オンスクリーンカラーホイールなどいろんな呼び方があるかと思いますがルメトリではカラーホイールと表示されています
Aeでなくても殆どの映像編集ソフトに搭載されているカラー調整の代表的なツールで素早く直感的な補正ができます。
カラーホイールの詳細はまた別記事でも書きますがこれによってカラーバランス、コントラスト等、色に関する一般的な問題の多くをこれ一つで解決することが出来ます。
この円(輪)は虹色になっていますが、これは色の関係性自体を表しているので目で見て直感的な操作ができます。
赤方向に動かせば赤くなり緑方向に動かせば緑になるという簡単でわかりやすい操作感です。
また例えば、画面が意図せず緑に染まってしまっているのを改善したい場合はこの円の緑の反対側、つまりマゼンダ(ピンク)方向に動かせば色が相殺されて望ましい結果に補正できるというものです。
前回のおさらい
JR宮島フェリーの看板の白を基準にする場合RGBパレードのどこを見たら良いでしょうか?
前回の記事を読んでいたらわかりますね?
場所と明るさが対応してることからこの白丸のところですねー。 ※詳しくはホワイトバランスの調整 その1をご覧ください
ハイライトを動かして調整
白丸の箇所はかなり明るい部分なのでカラーホイールのハイライトを動かして横並びにしてみましょう!
これだけで大体揃いました。 簡単ですね。
画像を見てみると
いい感じじゃないでしょうか。 といいつつやっぱ元が夕日がかかってるものなので多少違和感があります^^; あくまでも色を動かす練習としてみてくださいm(_ _)m
Instant Eyedropperで調べるとほぼピッタリ
今回は波形モニターを見て青(と緑)が下がっているので青(緑)方向に動かして赤緑青を揃えるという考え方をしましたが、先の説明に合わせると、看板の白がオレンジがかっているのを白く補正したいので、カラーホイールの円のオレンジの反対側(青緑)に動かして色を相殺させたという言い方ができます。
ハイライトとミッドトーンを動かして実践
比較してみると、好みもあるかもしれないですが私は下(ハイライトのみで調整)のほうが好きです。
上はアスファルトが青みがかったグレーになってますが若干温かみがあったほうが太陽の感じも出ていいのかなーって気もします。
でも空に関しては上のほうがより鮮やかで綺麗ですね。 黒いタクシーなんかを見ると上のハイライトとミッドトーンで調整したものは青くなりすぎてるように私は感じます。
もしかしたらこの2枚の中間くらいがお昼っぽいのかなって気がしてきました。
ただこれは元々が夕日が少し混じってるのが正解の画像なので、、、練習には向かなかった気もしますがもうコレでやっちゃったので今回はこのままいっちゃいます^^;
カラーホイールの効果の重複する範囲
これは重要な事なんですが、カラーホイールでハイライトだけを動かした場合も実はミッドトーン(シャドウにかかる部分まで)も一緒に動いてるんです。 ※ソフトによって重複する範囲に違いはあるようです
また当然のことですが、ここまでがハイライトでここからがミッドトーンって明確に分けられていると、あるところを堺にパキっとここは青っぽい、ここは赤っぽいなどとくっきり効果がでてしまうと困るので、中間調もなだらかに作用を受けることでそれを回避しています。
なのでハイライトだけを動かした場合はハイライトから下に行くにつれて効果はなだらかに弱まりながらも中間調の全体にまで影響を与えます。
例えばハイライトを青に動かした場合はシャドウを反対の黄色に動かします。 すると中間からシャドウにかけての範囲が青くなるのを防ぐことが出来ます。
これはまた別の記事でやりましょう。
カラーホイールで輝度の調整
カラーホイールは明るさの調整もできます
円の左に縦にスライドできるとこがありますね。 ここでそれぞれの階調範囲を個別に明るさ暗さを調整できます。
現在ハイライトの一番明るいところが95くらいなっているのでこれを100まで上げてみます
この場合も同じくミッドトーン付近まで同時に影響を受けますがミッドトーンの下の方までは影響を受けません。
そして明部が上がって暗部はそのままなのでよりコントラストが付いてシャープな映像にもなります。
RGBパレードモニターを見ると
0付近は影響を受けていませんが、10付近でもごく僅かですが変化が見られます。
ハイライトだけを動かしているつもりでもこのように全体にも影響があるということを理解しておくとより思い通りの調整ができると思います。
微妙な変化ですみません^^;
もちろんお好みに合わせてミッドトーンやシャドウのスライダーも動かして全体により明るくすることも出来ます。
そしていつも言うようにコントラストが上がったので同時に彩度(色の濃さ)も上がってます。
微妙なので見づらいかもしれませんが、R-Yのところを見たらより外まで伸びてるのがわかります。
RはREDで赤のことですがその方向に一番分布が伸びていますね。 これは赤い街灯や赤い文字や朱色の鳥居などの彩度が高いことを表しています。
カラーホイールはどの階調範囲を動かせば良いのか?
今回は白い看板を基準にしてハイライト部分だけを調整して補正されましたが、黒い部分を基準にした場合はシャドウ、中間調を基準にした場合はミッドトーンで調整します。 という言い方は少し変かもしれませんね。
暗部がズレている場合やズレていない場合など素材によって違うんじゃないかと思います。 一番正確なのはそれぞれの階調で個別に調整すれば良いのだと思いますが、通常はどこか一箇所を基準に調整して、それでもおかしいところがあれば微調整というのがやりやすいんじゃないかと思います。 うーん思います程度です^^;
そしてカラーチェッカーなどを使っていない場合は、大抵は白を基準にするのがやりやすい場合が多いんじゃないかと思います。
でも一部の小型カメラなどは、ハイライトは黄色っぽくシャドウ部は青っぽい等色味がチグハグな場合もよくあります。 そういう時はそれぞれの領域を補正しないとホワイトバランスが正しく補正されませんのでそれもまた別の素材で実練習してみます。
最後に
前回色温度と色かぶり補正で調整したものとカラーホイールで補正したものを比べてみましょう。
色温度と色かぶり補正の場合はよく考えたらハイライトを中心にとかは出来ないで常に全体に色を動かすんですね。
ですが暗部まで青くなりすぎずに調整されてるのはなんでだろう?
カラーホイール ハイライトのみで調整 とほとんど同じ結果になってるように見えます。 うーん不思議。
まだまだわからないことがあるので次はもっとわかりやすい素材でたくさん練習してみよう。
今日は前回と同じ補正をカラーホイールを使って練習してみました。
カラーホイールは個人的にとっても使いやすく気に入ってます。
初めての方でも今日の記事だけで使い方は大体わかったかなあと思いますが、カラーホイールについてはまた別の記事でも詳しく取り扱ってみたいと思います。
それではホワイトバランス(カラーバランス)の記事はまだまだ続きます!
色補正解説書の決定版
最初はどうかな~って思いましたが今ではとても良い本であることがわかってきました。 すごくお高いですがオススメの一冊です。